腎臓
リハビリテーション

腎臓リハビリテーションとは

腎臓リハビリテーションとは、『腎疾患や透析医療に基づく身体的・精神的影響を軽減させ、症状を調整し、生命予後を改善し、心理社会的ならびに職業的な状況を改善することを目的として、運動療法、食事療法と水分管理、薬物療法、教育、精神・心理的サポートなどを行う、長期にわたる包括的なプログラム』と言われています。わかりやすくいえば、

腎臓病の患者さんがもっといきいき生活できるように、さまざまな手段を用いて実現していくものです。

腎臓リハビリテーションの効果

腎臓リハビリテーションの効果は主に3つあります。

  • 身体機能の向上
  • 心臓・脳への保護効果
  • 腎臓保護作用の可能性
  • 身体機能の向上

    保存期CKD、透析の患者さんはフレイルと呼ばれる寝たきりの状態になりやすいといわれています。フレイルは保存期CKD患者さんの透析導入となるリスク因子とも報告されています。フレイルやサルコペニア※※の予防や改善により死亡率の低下が期待できます。

    ※フレイルとは

    • 1)体重減少
    • 2)疲労感
    • 3)活動量低下
    • 4)緩慢さ(歩行速度低下)
    • 5)虚弱(握力低下)

    上記5項目を診断基準として、3つ以上にあてはまる場合をいいます。

    ※※サルコペニアとは

    加齢などが原因で骨格筋量が減少し、筋力の低下や、歩行などの身体機能の低下が起こること。

  • 心臓・脳への保護効果

    保存期CKD、透析患者さんは心筋梗塞や脳梗塞などの心血管疾患を合併しやすいことが明らかになっています。
    運動療法を行うことで心血管疾患の予防に有効といわれています。

  • 腎保護作用の可能性

    有酸素運動による酸化ストレスの減少や運動によって腎静脈のうっ滞が改善することなどにより腎臓を保護されると考えられています。

保存期CKDにおける運動

保存期CKDといえばかつて安静にすることが治療の1つでした。しかし、最近では身体活動の低下が心血管疾患による死亡のリスクがあることと、軽い運動がCKDを悪化させない可能性が報告されるようになり、運動療法が適用されるようになってきました。
保存期CKD患者さんに運動療法を行うことで腎機能改善、総死亡低下、透析・腎移植などの腎代替療法移行を抑制するという報告もあります。
すなわち運動療法を中心とした腎臓リハビリテーションは、CKD患者さんが透析に移行するのを先延ばしにできる可能性があります。

透析における運動

一般的に透析患者さんは運動習慣がない方が多いといわれています。定期的な運動習慣のある透析患者さんは、運動習慣のない透析患者さんと比較して生命予後が明らかによいことが報告されています。透析患者さんは心血管疾患による死亡率が高く、運動療法を行うことで死亡リスクを低下させる可能性があります。
また、運動することで腰痛の改善、足のつりの軽減、透析後のふらつきの改善にも期待できます。

ご興味のある方は
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